駆動系(BB・クランクセット・チェーン・スプロケット)の交換


あらすじ

 クロスバイクで走行中に、チェーンの滑りを感じる。
 25,000㎞無交換だったので、そろそろ交換してみたいと思っていたところでもあり、
 新品チェーンに換装するも、滑りが更に酷くなり、本格的に原因を探り始める。

 ブレーキをかけた状態で、5時あたりで踏み込むと滑る事から、
 原因はチェーンリングの摩耗だろうと判断する。

 同じ歯数のATBからクランク(多分ターニー)を移植するも、フレームに当たり使えない。
 仕方がないので新しいクランクを物色するも、何を基準にすればいいのかよくわからない。

 少ない情報の中、AltusグレードのM311を注文し、ついでにスプロケットHG31を注文する。
 しかし、M311はATBクランクと同じで、フレームに当たり使い物にならない。

 再度、情報収集すると、軸長とCL(チェーンライン)というワードにたどり着く。
 プレスポの軸長は110.5mm(BBに表記)
 M311は推奨BB(別売):BB-UN26[軸長123mm→チェーンライン50mm]とあり、
 サイズが違うのが原因であると思われる。

 仕方がないのでBB-UN26(122.5㎜)を取り寄せ組み直すと、無事に換装することができた。
 換装後100㎞ほど走ってみたが、CLが少し広がっているようで、
 FD(フロントディレイラー)の微調整が必要だと感じた。

 とりあえず使える事がわかったので、再度全部ばらして、元のパーツへ付け替え、
 気が済むまで使い倒す事にする。目標を35,000㎞とすると、達成するのは再来年になり、
 それまでロング禁止も辛いので、用途に応じて、時々交換してみるのもいいかもしれない。
 交換する練習に飽きたら、新しいのを使い続ければいい。


 古いセットに戻して走行すると、チェーンの滑りがかなり不快であった。
 トルクをかけなければ特に問題ないのだが、最近は踏むペダリングで走ってるので、
 とても滑りやすい状況にある。
 何より、あとひと踏ん張りが出来ないのでは、追い込みに使えない。
 滑るとバランスを崩すので、ダンシングもできず、あまり走ってて楽しくない状態。
 この状態で1万㎞は走りたくないので、元を取るのは無理そうな気配。


 再度、新セットに換装して走行中。
 チェーンが滑るのは、アトラクションとしては面白いのだが、
 実際問題としては、危険極まりないので、もう旧セットに戻す事はないだろう。




交換の記録

 BB
  VP COMPONENTS BC-73 68 BC 1.37x24T 110.5mm
 → SHIMANO(シマノ) BB-UN26 122.5mm(D-NL) 68BSA(¥1100)
 
  BC-73は右ワンがかなり固く、外すのに苦労する。

  5-56を何度か繰り返し吹き付け、工具の柄を鉄パイプで延長して、
  じわっと踏みながら様子を見ていると、パキッという音とともに外れた。
  最初が緩んでしまえば、あとは手で回る緩さで、
  固着というよりは、しっかり締め付けられていた感じだった。

  中は結構汚れていた。センタースタンドを付けるために穴を開けたところから、
  いろいろ侵入しているようだが、もともと横には穴が開いていたわけで、
  センタースタンドだけが悪いわけではないと思う。
  なんにせよ無事交換する事が出来て良かった。

  BB-UN26は非常に回転が渋い。検索してみると新品はそういうものらしい(特にシマノ)。
  そしてこちらは左ワンが固い。普通に締めても一番奥まで閉まらない上に、
  プラらしいのであまり力を入れたくない。
  後日、先に左ワンを締めきってから、右ワンを締めるとちゃんと入ってるような?

  取り出したBC-73は良く回るし、ガタもないので何とか再利用したいものだが、
  適応するトリプルリングのクランクを探すのが面倒そうだ。

  Qファクターを広げるのは簡単だが、狭めるのは無理なので、応用が利く狭い方が好みか。


 クランクセット 
  Sugino MX2
 → SHIMANO ALTUS FC-M311(48-38-28T)170㎜(¥2836)
   摩耗比較。画像が荒くわかりにくいが、歯が牙になっている。

ギア数もクランク長も標準と差はないが、
BB軸長が違いそのまま取り付けできなかった。
CLが47.5㎜(推定)から50㎜へ少し広がっているらしいので、
FDの微調整が必要かも?
細かいこと気にしないなら、そのままでもいけないことはない。



 スプロケット 
  SHIMANO CH-HG30-8I 11-30T
 → SHIMANO CS-HG31 8S 11-30T(¥1611)
  多少の摩耗は見られるものの、特に問題があるようにも思わなかったのだが、
  チェーンのためにも一式交換すると決めたので、とりあえず購入。


 チェーン
  SHIMANO CN-HG50
 → SHIMANO CN-HG40(¥918)
  古いチェーンを新しいチェーンと並べて伸びを見たが、
  100リンク以上で1つ分も狂ってなかったので1%以下?
  テンションが掛かってないから、正確にはわからないかな?

  古いチェーンは横にねじれまくり、リングもガバガバであったが、
  新しいチェーンは少したりともよじれない。素晴らしい。

  巷には新品チェーン洗浄について論争があるようだが、
  折角ついているグリスを落とすなど、もったいない話なので洗浄はせず、
  外周の油はゴミを拾うので、軽く拭いておいた。

  新品チェーンには、コネクトピンが付属しているが、一度使うと再利用はできない。
  そこで、チェーンメンテナンス時には、ピンを抜ききってしまわずに、
  最後のプレートに残したまま外すのが良い。そうすると元に戻す時に再利用できる。
  外してしまうと再挿入するのは非常に困難なので、
  余ったチェーンは、いざという時の予備として残しておくと助かる。


 一式交換総額  ¥6465
  定期的なチェーン交換でどの程度持つのか不明だが、
  5000㎞で交換していたとしても、35,000㎞走行すれば同じ金額になる。
  25,000㎞では2000円の損失であるが、全てが新品になる事を考えれば悪くないかも?

  その後、Alivioスプロケット11-32T (¥1309)の方が安い事を知り、必要もないのに購入。
  スプロケットを入れ替えて使うなら、チェーンは定期的に交換し、
  歯が痛まないようにしなければならない。

  後日、6000㎞走行でチェーン交換を行った。
  チェーンはかなり伸びていたようで 、リアの4、5でチェーンの滑りが発生した。
  説明書にあるように最低でも4000㎞で交換しないと駄目なようだ。
  新しいセットでどの程度持つのかは不明だが、25000㎞いけるのなら、
  交換回数が6回を超えるので、使い潰して総交換の方が良さそうだ。




換装後の感想

 チェーンが滑らないというのはとても快適。
 走りが軽くなったなどと言う事は全くなく、今までと大きな変化は感じられない。
 寧ろ、Qファクターが広がった違和感の方が強い。
 おそらくはATBのクランクと同じ幅だと思うが、ATBの方は違和感がないので、
 クランク長(短い)や、サドル高(低い)などの関係があるかもしれない。
 本題のチェーンの弛みは無くなり、ギアも新しくなった事で、変速性能は良くなり、
 ガシャガシャ音が減り、静かな自転車になった。




事の流れ

 チェーンが滑る → チェーン交換 → チェーンの滑りが悪化する 
 → チェーンリングが悪そうだ → リングだけの交換不可 → クランクセット交換
 → クランクセットがフレームに接触 → BBを指定のものに交換 
 → スプロケットもついでに交換 → ディレイラー以外の駆動系すべてが新品に




備考

 クランクに合わせてBBを交換するというのが鉄則のようだ。
 ホローテックIIを使えば、上位グレードでは互換性がある模様。
 さらに上位グレードは、チェーンリングだけを交換する事が出来る。
 しかし、下位グレードならまとめて交換しても、それらより圧倒的に安い。
 高くて便利なホローテックII、安くて面倒なスクエアテーパー。どちらが良いのか悩みどころ。
 MTBコンポはシマノよりスラムの方が評価が高いらしい。(値段も高いが)


 プレスポにFC-M311は使えないという意見がある。
 同時期に購入されているので、同じスペックのプレスポだろう。
 (FDにclarisと書いてあるのが気にはなるが)
 当方は、標準FDにFC-M311で走っているが、一応使えている。
 ただ、ミドルに落としたつもりが、インナーまで落ちたりとか、
 アウターに入れるのに、奥まで押し込まなくてはいけなかったりとか、
 アウター時にロー側(たすき掛け)にすると、シャリシャリ鳴るとか、完璧な状態ではない。
 ホイールが悪いのか、スプロケットが振れているので、チェーンがも左右に振れ、
 ディレイラーやシフターも古くなり、適当に弄ってるので、
 本来の性能が発揮されていないとも思われるが、
 コンマ1秒を競って走るわけではないので、些細な事を気にしても仕方ない。
 FDの調整は本当に面倒くさく、出来るだけ触りたくないので、
 のんびり様子をみながら、追記しようと思う。
 不安がある人は、FDも一緒に交換する方がいいかもしれない。


 低ケイデンスで走るとアウタートップから先が無い事に物足りなさを感じる事も多い。
 人間的に効率が良いとされる70rpmのアウター48Tで38.4㎞/h、50Tで40㎞/h、52Tで41.6㎞/h
 TOURNEY FC-A073(50-39-30T)を使えば巡航で40㎞/h台が見れるようになるかも?
 FC-2203だとチェーンリングが交換できるっぽい?セットだと(52-42-30T)らしい。
 BB軸長は113㎜らしいので新しく買う必要がありそうだが、110.5㎜が使えそうな気もする。
 CLは45㎜なので今のままで良さそう。
 BB幅とCLから考えるとプレスポのクランクセットはロード用に変えるのが正しいのかも?

 スラムのようにスプロケット側を10Tに変える事が出来れば、70rpm 48-10Tで42.2㎞/h
 TRSや魔改造とされるカプレオを使えば9Tで47㎞/h




 ATBのクランク・スプロケット・チェーン・シフター交換の記録

  ATBのリアトップギアの歯が欠けたので交換することに。
  ついでなので10年以上酷使したフロントギアとチェーンも一緒に交換することに。
  リアギアはボスフリーの6段から7段へグレードアップ。
  7段にするにあたり、リアシフターも7段用に変更。

  まずは、とにかくボスフリーの着脱から。
  10年ものなので固かったが、CRCと力技(ボス抜きに付けたモンキーを蹴り踏む)により無事に着脱。
  BBの時よりは簡単だった。
  取り付けは反対に回すだけなので簡単。きつく締めなくても走行中に勝手に締まるらしいので適当に。

  次に、クランクの取り外し。
  まずはチェーンをカットする。再利用しないので躊躇なくピンを抜く。
  相変わらずリムーバーの使い方が直観的でなく、難儀する。
  というか、先にペダルを外すべきだった。ペダルもどっちに回すかよく覚えてなく、難儀する。
  新品クランクは問題なく取り付けられた(変速も問題なし)ので、BB軸幅は122.5㎜であろうと思われる。
  クランクを外した事で、軸がガタガタであることが確認できた。BBの換装が必要かもしれない。
 
  リアディレイラーも購入していたので交換したが、リーチが合わずギアに接触するので、元に戻す事に。
  結論から言うと交換は必要なかったようだ。 デレイラー代¥500は勉強料に。

  シフターの交換は簡単だが、無駄に長いアウターにワイヤーを通す必要があり、長さが足りず、
  ワイヤーも交換することに。構造は簡単だが余裕がないのでタイコを外すのに難儀する。
  新品を入れるのは簡単なのであとは楽勝。
  アウターをカットしようかとも思ったが、ワイヤーが無駄に長いのは折り畳み自転車だからかもしれない。

  フロントシフターも買っていたのだが変速できなくなると面倒なので、今回は保留。また後日にでも。

  最後にリア変速の調整。調整用ねじを一番出した(締めた)状態で、ワイヤーを張り、緩めながら調整する。
  張ったつもりでも結構緩いようで、ローまで上がらないので調整してみては張るを3度ぐらい張り直す。
  先述のように、ワイヤーの長さが足りず、トップまで緩まないようなので、ワイヤーを新品に交換する。
  再度調整し、とりあえず使えるレベルに無事調整完了。
  引き量はシフターで決めるようなので、ディレイラーの交換は必要なかったようだ。

  合計費用 ¥4227
   リアギア¥100+シフター¥500+チェーン¥837+クランク¥2690+シフトワイヤー(1本分)¥100
   無駄になったもの リアディレイラー¥500
   追加費用 BB¥1102 リアハブ軸¥326

  走行中にクランクがぐらつき始めた。
  キャップをしていなかったのもあるが、締め付けが不十分だったのか、
  走行中にクランクを止めるナットが緩んで外れ、紛失したようだ。
  仕方ないので応急処置的に前輪のホイールのナットを嵌めてみたが特殊なのか締めることが出来ない。
  ナットで絞めておかないと外れてしまうので走れない。
  仕方がないのでBBを交換する事にした。

  カップ&コーンの取り外し手順
   左ワン外側のリングは適当な物をひっかけて叩けば簡単に外れた。
   左ワンはCRCを吹き付ければ手で回る緩さだった。
   左ワンが抜ければ、シャフトも抜くことが出来た。
   シャフトにはベアリングが付いているものの調整機構はなく、ただの棒だった。
   右ワンは苦戦中。シャフトは抜けているので、内外両方からCRCを吹き付け中。
   やはり外れないのでボルトナット法に挑戦する事に。
   ワッシャーを付けた方が設置面積が大きくていいかなと思ったのだが、滑って空回りするだけだった。
   仕方がないのでBB内側はワッシャーを外し、ボルトを直接接触させて、
   スパナに体重をかけると簡単に外れた。
   右ワンが抜ければ一度綺麗に拭き取った後、グリスアップしBBを取り付ける予定だったが、
   グリスが見つからないので仮組して、実践投入。
   BB組付けは軽く締めるだけで適当に。早くグリスを探さねば。
   BBを交換したことで軸長が少し変わったのか、アウターに上がらなくなった。
   トップに上がるように調整すると、安定してインナーに落ちない。
   利用率はアウタートップがほとんどなので、インナーに落とす時は手でディレイラーを押す仕様に。
   フロントディレイラーの調整は非常に面倒なので、慌てずじっくりやっていく予定。

  更に一か月後
   リアホイールのハブ軸が折れた。ボスフリーは構造上折れやすいらしい。
   現物を測りつつ自転車の特殊ネジ一覧を参考にして3/8 180㎜軸を注文して組み換えた。
   折れても無理して乗ったので、玉押しの周りに付けるリングが変形してて綺麗に収まらない。
   ゴリゴリ感の解消は無理だったが、回転時間は素晴らしくなった。
   新品の軸がどの程度持つのかを見て、自転車を買い替えるか定期的に修理するか決断しようと思う。

  残った作業は、保留したフロントのシフターの交換だが、現状が多段のフリクション風シフターなので、
  きっちり3段のシフターにすると調整に相当な時間がかかりそうな予感がして気が進まない。


  今後の予定
   フロントシフターの交換。
   カップ&コーンの調整。無理な場合BBへの換装。 完了
   トップ11Tの7段ギアへ換装。




参考

 自転車いろいろマニュアル
 自転車の特殊ネジ一覧

 ホローテックII SM-BBR60 SM-BB9000
 MTBのクランクにはBBも付属する?
 MTB系にはスペーサーが必要?

 BBフェイスカットやBBタッピングを行うとメーカー保証が無くなる

 ギア比計算ツール